そこには、
久しぶりの懐かしいような光景が広がっていた。


ただの教室のはずなのに、ライトアップされたステージ。


大きいアンプ。


スタンドマイク。


ピカピカのドラムに、ベースにギター。


そこはあたしが夢見ていた憧れのバンドの世界だった。



「何ここ・・・」


あたしがそう呟くと、奥のほうにいた3人が顔を出した。


「あれ?モッチー、本当に連れてきたん?」


チャラそうな茶髪の男はいう。


「うっせぇ。当たり前だろ。バーカ。
 俺は決めたら即決行動するやつだ」


「すっげぇ。さすがモッチー。
 さすが俺の見込んだ先輩っすね」


背の低い、童顔の男は後輩なのかな?
ちょくちょく敬語が混じる。


「あ?見込まれてやったんだよ」


「げ。本当に連れてきたのかよ。
 普通の女子高生をこんな場所に?
 
 マジで教えなきゃよかったわ」


あれ?

この男・・・。
うちの制服着てるよ?


誰だっけ?こいつ・・・。


てか、この人は学校サボってこんなとこにいんの?


「なんだよ。亜貴。今さら言っても遅ぇよ」



「ちょっと、ちょっと、勝手に話進めないでよ。
 どういうことか説明して。
 なんであたしはこんなとこにいるの?」



あたしはそこで口を挟んだ。


このままじゃ、
このむさ苦しい雰囲気に負けそうだったから。



「あ?ああ、んじゃ、メンバー紹介からな」




「へ?」