「学祭、盛り上がってるかー!?」





ステージに武田くんが一人で立ち、みんなを煽る。



特設野外ステージの前には、
全校生徒が集まっていた。


勿論、それに加えて外部の人達も・・・。


あたしはそのステージ袖でみんなとスタンバイする。



「はぁ。緊張する・・・」


「またやっとくか?」


亜貴が心配そうにあたしの顔を覗き込んだ。


「貸せ。俺がやる」


「え?」


亜貴があたしに魔法のおまじないをしかけたとき、
そんな声が降ってきた。



見ると、祐兎が怖い顔をして立っていて、
その瞬間・・・。





「いったぁ!!ちょっ、何すんのよ!!」


「や。あまりにもデコ広すぎだから、つい」


絶対嘘。
初めから確信犯だよこいつ・・・。



信じらんない!!



祐兎はあたしのデコを思い切り弾いていた。


ひりひりするおでこを押さえて、
涙目で祐兎を睨みつける。



「はは。まあ、
 モッチーのおかげで緊張ふきとんだんじゃね?」



亜貴が苦笑する。


もう。
なんで亜貴まで・・・。



そんなふうにじゃれていると。


武田くんから合図がきたみたいで、
あたしたちは顔を見合わせた。



「んじゃ、たけしいねぇけど円陣組んどくか?」


祐兎がそう言うと、あたしたちは輪になった。




「おし。ReesのREI奪還作戦開始!!」





「え?ちょっ・・・なにそれ・・・!?」







「「おー!!」」









はぁ!?