「あーもう!!みんなうるさーい!!」
屋上でそう叫んでいると、ガチャっと扉が開いた。
誰だよ。
聞かれたかな?今の。
ファンの子だったらどうしよう・・。
って不安はすぐに消えた。
そこに立ってた人は、スカートをはいてなかった。
「REI・・・」
その男はそう呟いた。
誰だこの人・・・。
気だるそうに開かれた目には、光が足りない。
煙草をくわえて、じっとこちらを見ていた。
「誰・・・?っていうか、その制服・・・男子校じゃん?」
そう。
うちの生徒じゃない。
そんな奴が何故ここに!?
頭が付いていかない。誰かご説明を!!
「来いよ」
「え?ちょっ・・・!!」
そいつはあたしの手をいきなり掴むと、
すたすたと歩き出した。
屋上を出て、一気に階段を降りる。
廊下を面倒くさそうに歩くそいつと、
何がなんだか分からずについていくあたしは
全校生徒の注目の的となった。
「ちょっ・・・と!!あんた何なの!?何で勝手にっ」
「うるせぇ。黙って付いて来いよ」
なっ・・・!?
ムカつく。こいつ。
イライラするあたしをよそに、周りはみんな悲鳴をあげた。
今のやばい!!とか、好きー!!とか、
わけわかんない。
こんなやつ、なんで好きとか言えんの?
ありえないから!!