「ねぇ、REIってさ、
 そのリストバンド、いっつもしてるよね?
 それかっこいい。ちょっと見せてよ」


「え?」




それはいつものことだった。


いつものように休憩時間にだらだらしていると、
磯部くんがあたしの手首を指差していった。




「ダメ。これ、お気に入りなの」


「なんでー?ちょっとだけ」


「ダメったらダメ」


「それさ、見たことねぇメーカーのだよな?
 特別なブランド物?」



武田くんが聞いた。


「別に、普通にマイナーなやつだと思うよ。多分」


「なんだそれ?お前が買ったやつじゃねぇの?」


「おい、お前ら邪魔だから離れろ。
 藤堂、あのな、ここなんだけどな―」


「え?」



なんでもない、ごく普通のやり取り。



普通の・・・はずだったのに・・・。







「すきあり!!」

祐兎がそう叫んだかと思うと、
あたしの手首からはリストバンドが外されていた。

















「いやああっ!!!!」


















「麗華!!」























あたしが、崩したんだ。














この、いつもの平和な日常を。







Blue skyの穏やかな日常を・・・。

























―大丈夫。麗華は俺が守るから―




















「麗華!!」