「おい、何ぼけっとしてんだ?下痢か?」


「はぁ!?あんたね、
 乙女に向かってなんてこと言うのよ!!」


「なになに?どこに乙女がいんだ?
 ここには乙女なんてどこにも・・・ってぇな!!」




あたしが思い切り叩くと、祐兎もやり返す。


だけど全然、痛くないんだよね。


こいつ、わけわかんない。


女じゃないっていうのに、
対応は女の子みたいにするんだよね。


本気でやり返さないところとか、
やりすぎないようにほどよくからかうとか、


なんか知らないけど、帰りが遅くなる時には、
いつもあたしを待たして一緒に帰ってくれる。


一体なんなのこいつ・・・。




「あ?俺の顔になんかついてんのか?」


「べっつにぃ?」




扱いづらい・・・。


コロコロと態度が変わるこいつは、
あたしが今まであったこともないようなやつだった。


だけど・・・。


「はは。ぶっさいくな顔してんなや。あほ」


だけど、
たまに見せるこの無邪気な笑顔がたまらなく、


たまらなく可愛く思えた。