「あれ?なんだよ。麗華ちゃんじゃん。
 やっとやる気になった?」



「は、はぁ!?あんたが拉致ったんでしょ!?
 てか、“麗華ちゃん”言うな!!」




何こいつ・・・っ!!


少しでも心配したあたしが馬鹿だった。


こいつはこんなやつなのね、所詮。


あたしが噛み付くように言うと、
祐兎は見下したようにあたしを見た。


「あれ?顔赤ぇぞ?」


「あ・・・かくない!!」


「なんだよ。モッチーと仲いいじゃん。アンタ」




亜貴が口を挟むようにそういった。


「仲良くなんてないし!今日あったばっかりじゃん」


「何?俺嫌われてんの?仲良うしてぇやー」


は!?
なんでいきなり関西弁なの!?


意味わかんない。こいつ。



「ホラ、あんまりからかうなよ。
 それはそうと、新曲なんだけど」





亜貴と話し始めたあいつを見ると、もう煙草を取り出していて、
さっき握りしめたときに出来ていた火傷の痕が見えた。



痛々しくて、見るに耐えなかった。



だからかな?
体が咄嗟に動いたのは・・・。



あたしは気付くと歩み寄っていて、祐兎の手をとっていた。