あたしが顔をあげると、
祐兎は小さなラップ包装されている箱を差し出していた。
「ん」
「あたしに?」
「クリスマスだしな。プレゼント?」
あたしがその箱を受け取ると、
祐兎はそっぽを向いて煙草を吸った。
箱を眺めて、丁寧にあける。
「綺麗・・・」
箱の中身は、
綺麗なシルバーネックレスだった。
雪の結晶がついていて、
その真ん中は金色で光っていた。
「・・・なんでっ」
「貸せ」
祐兎はネックレスを持ち、
あたしの首に手を回した。
戸惑って固まっていると、
パチンという金属音が聞こえた。
ネックレスがあたしの首についた。
かわいくて、
街灯に反射してキラキラ光っていた。
「雪、好きそうだったから。
・・・まぁ、気まぐれだよ」
「祐兎・・・」
煙草の香りが、ふんわりあたしを包んだ。
そのまま、祐兎の手があたしの背中に回されて、
あたしは抱きしめられていた。
「あのさ、麗華」
「・・・・祐兎?」
「俺、どうせ死ぬんだからって、
ずっと躍起になってた」
祐兎はそのまま、
ポツリポツリと話しはじめた。
「親も心臓病で死んじまってるし、
俺、諦めてたんだよな」
「祐兎・・・」
「だけどさ、俺・・・」
「・・・お前と会って、すっげぇ死にたくねぇって思った」
「え・・・?」
「初めて・・・生きたいって思ったんだ」