ライブは順調に進んだ。


4曲目に差し掛かったところで、
それは起こった。



祐兎が、顔を歪め始めたの。





なんで?



さっきまでは調子良かったのに・・・。






あたしは動揺を隠せないまま、4曲目を終えた。





武田くんだけがステージに残って、
他のメンバーは一旦はける。



あたしは水を持って祐兎のそばに行った。



「祐兎・・・大丈夫?もしかして・・・」


「大丈夫だよ。んな顔すんな」




「だって、辛そうだった!!」



「大丈夫だって。あー。寒ぃな。
 今日。雪、降んじゃね?」




「祐兎!!」




あたしが叫ぶと、祐兎は一瞬黙って、
真剣な顔をした。



やっぱり、体調、酷いんだ。




だけど、我慢して、
痛みに耐えてここに来たんだ。



あたしが、昨日あんなふうにしたから?




あんなこと言ったから?





「ごめん。祐兎。
 もういいから、やすんでて?」



「あー?なんでだよ。
 人が折角楽しんでんだ。邪魔すんなよ」




涼しい顔でそういう祐兎。


亜貴が祐兎の後ろで、
悲しそうな顔をして立っていた。



「祐兎・・」



「おっ。そろそろフリ、
 終わるみてぇだぞ。出るか」


「祐兎・・・」







「しっかりしろ!!
 お前、Blue skyのボーカルだろ!?
 

 んなくだんないことで
 そんな情けねぇ顔してんな!!」