「モッチー、お気の毒に・・・」


「可愛いあだ名だな。こりゃ」


「確かに・・・」


「おいこら、うっせぇぞ後ろ!!」




そいつはそう叫ぶと、あたしを再び睨みつける。


うわぁ。


このやる気のなさそうな目。


見てると何かむずむずする。



もっと全力であけろよ。





「・・・祐兎」





「え?」


「持田祐兎!なんだよ。
 お前が教えろっつったんだろ!?」


「あ、ああ、ありがと・・・」



“持田祐兎”。


なるほどね。
それで“モッチー”か。


あたしは祐兎の顔を見つめて、ボーっとしていた。



「んで、やるのか。やらねぇのか?」








「・・・やる」









「よっしゃあ!!ボーカルゲット!!」


「すっげぇっすよ。モッチーやるぅ!!」


「おい、はしゃぎすぎんなよ。お前ら」


「まあな。俺にかかればこんなもんだろ」











あれ?



ちょっと待って?




何、この騒ぎよう・・。




あたし、もしかして









OKしちゃった?









「ちょっと待って!!今のなし!!間違えた」


「うっせぇぞ。藤堂麗華だな。よろしく、“REI”」







待ってよー!!