「あのさ、麗華」


「え・・・?」


「・・・やっぱいいわ。
 なんでもねぇ」


「何?気になるじゃん!!」


「気にすんな!いいじゃん。別に」


「いくない!!何なの?祐兎!!」





いつものようにじゃれると、
祐兎が一瞬、顔を歪めた。



「祐兎、大丈夫?まだ、体が・・・?」



「あ?なんだよ。今度はほんとの腹イタ。
 心配すんな」



そういって、あたしの頭に手を置く。



亜貴にそうされたときとは違う感覚。



なんか、くすぐったいような、乱暴なような、
よくわからない、そんな感覚。



あたしって、
人に頭を撫でられるの、好きだったっけ?


嫌いだった気がするけど、
この2人にそうされたって、


別に嫌な気持ちにはならない。


むしろ、
心地良くてふわふわする感じがする。


あたしが不安そうな顔をすると、
祐兎はあたしの方をじっと見つめた。




「おい、笑えっていったろ?ホラ」


「ちょっ・・・やめて!
 くすぐったいでしょー!?あははっ!!」




急におなかをくすぐられて、
あたしはつい声を上げて笑ってしまう。



祐兎はくすぐるのを止めて、微笑んだ。