そしてあたしは見逃さなかった。




祐兎が、
冷めたような遠い目をしたことを。



この目をしている時の祐兎は、
隠し事をするとき。


きっと、
病気のことと何か関係してるんだね。




ねぇ、祐兎。



何を思っているの?



あたしには、
やっぱり言えないかな?



でも、
わかってるのに中途半端に知らないのは、





やっぱり悲しい事だよ・・・。



祐兎・・・。




あたしも押し黙ると、
祐兎は察したようにため息を漏らして口を開いた。








「お前には、話してやってもいいかな」




「え・・・?」










祐兎はそう言うと、ギターを見つめた。




「病気の話をしただろ?」




あたしはゆっくりと頷いた。




「だから、俺の人生、
 どうなるか検討つくよなぁ?」













何の検討?



それって・・・









“死んじゃうかも”っていう検討?










嫌だ・・・。





そう思いながらも、
あたしは小さく頷いた。
















「だからだよ」















「え?」