「解散!!」





この声が校舎の廊下に響き渡ったのは
つい数分前のこと。


あたしがいるガールズバンド、“Rees”
のメンバーである、彩夏とあたしが喧嘩したから。


それはしょうもない喧嘩で、
あたしはごめんねって言いたかった。


だけど、意地っ張りなこの性格が、
あたしの珍しく素直な気持ちを崩した。


彩夏との喧嘩は、いつものことで、
また戻れると思っていたのに・・・。



「REIはうちのこと、何だと思ってんの?
 うちだけがいつも蚊帳の外・・・」


「違うでしょ!?さっきから違うっていってんのに、
 SAYAが聞く耳持たないからっ」


「REIの馬鹿!!もう解散!!」





これが、数分前に交わした、
彩夏、“SAYA”との会話。



あたしたち“Rees”は仲良しグループ
4人組で結成したバンドだった。


もともとはあたしがバンドに憧れて誘ったメンバー。


リーダーは即あたしに決定した。


ドラムのあたし藤堂麗華、通称“REI”、

ベースの鈴木香枝こと“EIKA”、

ヴォーカルの川崎恵美こと“EIMI”、

ギターの本川彩夏こと“SAYA”。


みんなバンドではこの呼び方で呼び合っていて、
その呼び名の頭文字をとって“Rees”。



単純でしょ?
そりゃあそうだ。

だって、考えたのは“あたし”だもん。