『どうぞ』
凛と澄んだ声がきこえた。
『失礼いたします』
『あなたがクレハ・カンザワ?』
『はい。』
理事長は50代くらいのきれいな老婦人だった。
なんか....どこかなくおばあちゃんににてるかな。
いつのまにか理事長は柔らかく微笑んでいた。
『一年しかいないけれど楽しい高校生活を送って頂戴ね』
『はい。ありがとうございます。よろしくおねがいします。』
『ユカリは元気だったかしら?』
『えっ?』
『古い友人なの。彼女とであったのは、この学園だったわ...。』
理事長はなつかしそうに遠くをみつめている。
そうだったんだ。
『そうなんですか。紫さんも亮介さんもとても元気ですよ。
本当によくして頂いています』
『そう。それはよかった。それにしても...貴方、フランス語お上手ね。』
『ありがとうございます!』
理事長は最後ににっこりと笑って
あなたなら大丈夫ね といってくださった。

