いつのまにか、わたしは天道に抱きしめられていた。 「泣いていい。言いたいことは全部吐け。受け止めてやるから。」 顔は見えないけど、優しい言葉が降ってきた。 「ふぇっ...」 あの日。美鈴が死んだあの日から、誰かの前で、ましてや腕の中でなくのは初めてだった。 泣けなかった。 私が殺したんだから。 皆、私を責めなかった。 「しょうがないよ」って困ったように笑って。 でも、ちがうでしょ? しょうがないで済ませられるような話じゃないでしょ?