「実は.....」
昔から無鉄砲でなにを考えているのかよくわからなかったが、今回の波乃の願いは愛しい我が子を助けたいという真摯な思いだというのがよくわかった。
「紫....お願い。このままじゃ、本当に紅羽は.....」
電話ごし、波乃の声は涙声になっていた。
「波乃....」
しょっちゅう、頼み事ばかりだった彼女だけど、その頼みは大きかれ小さかれ、一人じゃ本当にどうすることもできないことしかなかったのを思い出した。
私の親友は、か弱そうにみえて誰かに頼るのが嫌いな頑固者だった。
それを思い出した、私は紅羽ちゃんを預かると了承してしまったのだ。