貴子は奥の席へ着くと、プリンアラモードを注文すると、声をひそめて
「ねえ。聞いた?」とイスの背もたられ
に身を引きながら話はじめた。

「何のこと?」
もったいぶった態度に少しイラっとしながら返事をすると、

その返事を待ってました、とでもいうように貴子は身を乗り出してきた。

「ねえ。課長、浮気してるのよ」
「誰と?」
「営業2課の藤山さん」
「えー‼︎あのポッチャリのブス子⁈」
ガッカリした。あのカッコイイ課長が
あんなダサダサの三十路の女と付き合うなんて。
まっ私も三十路だし、人のこと言えないけど笑

でも最悪…

さっきまでのウキウキがバッカみたい。

なんで私って恋運がないのかしら。