男は午前11時30分に目が覚めた。
周りには酒のボトルや缶だらけだった。
赤くなった目にはひどく悲しみと悔しみが溜まっていた。

正装に着替え、男は自分が持ってた、女の唯一の写真を財布の中に入れ、「今日はきっと見つかる。」と自分に言い聞かせた。

家から出て行ったその後ろ姿は何とも言えぬ哀れなものだった。