気持ちが昂ぶった俺を、クレサさんは終始冷たい目で見た。

「あなたは自分勝手よ。財閥と菅谷芽琉の両方を守る力は、あなたにはないとわかっていたはずだわ。
それでもあなたは財閥を選んだ。菅谷芽琉はあなたの玩具じゃない。あなたが財閥を選んだ時点で彼女が出て行っても何もおかしくないのよ。
それでも残ってくれた彼女はどれだけのお人好しなのか。」