「わたしの記憶は抜かないでください!」 かいととの記憶を失くしたら、わたしは苦しまずに済むと思う。 でもそれ以上に、わたしはかいととの思い出を大切にしたい。 「苦しんでもいいんです。わたしにとってかいとは大切な、大切な初恋です!」 涙が溢れ出た。 かいとの親や友達の目の前で出し切れなかった涙がポロポロと落ちてきた。