悠久幻夢嵐(1)-雷の章-a rainy insilence




飛翔が語った過去は、
私の想像以上のものでした。



幼い頃から、寂しい思いをし続けた
その心は……遠い日の私にもシンクロする。


仕事ばかりで、
家を留守がちにした両親。



両親が留守がちなだけでも寂しかったのに、
両親が村人たちに殺された辛さを抱えながら
現実を生き続けるのはどれほど辛かったでしょうか?




私には……時雨が居ました。


時雨と時雨の双子の弟である氷雨。


二人が支えてくれて時雨たちの両親が、
いつも自分たちの子供のように接してくれた。 


だけど飛翔は、その唯一の支えである
お兄さんにすら、見放されたと心に深い傷をつけたまま
早城家に養子入った。


出会った頃から気になってた
早城のご両親と飛翔の関係のズレ。 



そんなパズルのはまらない原因が
わかった気がした。



他人行儀な親子関係の原因は家柄。





総本家と分家。



その二つの縛りが、
こんなにも世界を遮断していくなんて。





そして……それは、
今も神威くんと飛翔の間に根付いてる。





飛翔は……神威君に、
ご両親や兄さんがしてきたような犠牲は
背負ってほしくないと願ってる。






それと同時に……本来は、
その責を背負うのは神威くんの前に
自分自身であることを一番知っている。