「良かった。
 後は早城だね。

 今日中に、内定で研修が決まってる新スタッフたちからも
 連絡が入る手はずになってるみたいだね。

 勇人もお父さんに報告しないと。氷室もね」


「ありがとう。千尋。
 後で、お父さんとRizママと、母さんにも連絡しておくよ」


「私も後ほど、鷹宮院長にご報告に伺います。
 後は……飛翔が気になりますね」



千尋君が勇の部屋を出た後、
私もお風呂を入り勇の洋服を借りると
母屋のリビングの方へとお邪魔した。


そこには病院スタッフらしい男の人がすでに
朝ご飯を食べてた。



「おぉ、勇人。
 結果どうだった?」


「嵩継さん、僕も由貴も千尋も受かりました」


「そうかそうか。
 後は、あの早城だっか?

 アイツの合否か?気になるのは」


「ってことは、四月から研修が決まってる他のスタッフも
 ほぼ合格が決まってるってことですか?」


「まぁな、神前医大の連中はな」




そう言うと、「ごちそうさまでした」と手を合わせて食器を流しに片付けて
「少し仮眠してくるわ」っと、先ほどまで居た一階スペースへと歩いていた。



「由貴、改めて紹介。

 僕や千尋が高校生の頃から一緒に住んでた、
 安田嵩継【やすだ たかつぐ】さん。

 四月からお世話になると思うよ」



安田嵩継……。

今、妃彩さんと時雨お母さんがお世話になってる
鷹宮のケアセンターの責任者の名前。






嵩継先生がね……。





妃彩さんが何度もその名前を紡ぐたびに
複雑な感情が心を占める。




その人と同じ職場になるんだな。



そんなことを思いながら、Riz夫人の朝ご飯を頂いて
飛翔と連絡をとった後、鷹宮総合病院へと顔を出す。




鷹宮に顔を出した後、私と勇は神威君の病室として
用意されている、特別室の方へと顔を出す。



そこで飛翔はソファーに座って目を閉じていた。




「飛翔」

「おぉ」


私が声をかけると、飛翔はすぐに閉じていた眼を開く。