「申し訳ありませんシスター。
 家のものから連絡が入ったのですが、学校側にお知らせするのが送れたようです。

 こちらは徳力神威。学園に登録している婚約者【フィアンセ】です。
 運転しているのは、フィアンセの叔父さまです。

 正規に以後は手続きを取りますので、今日のところはお許しください。
 秋月に今すぐ確認して頂いても構いません」


桜瑛はシスターに告げると、その場でシスターは携帯電話から何処かに連絡する。


話の内容から、秋月家に電話をして現状を確認しているようだった。
確認が終わると、そのままシスターは俺たちを解放した。




叔父上をここぞとばかりに、強調したように感じた生意気な秋月の神子。
だけど、アイツが……神威の婚約者とは。


兄貴、何時の間にそんなことになってたんだ。



そのまま桜瑛と神威は、後部座席へと乗り込むと
俺は車は校門前から少し走らせて近くのコンビニへ停める。



「それで神威、高校生の方の情報を知りたいってどういう事?」

「そのまま」

「高校生の譲原先輩はスポーツ特待生で、いろんな部活の応援とかもしてるみたい。
 射辺司先輩は、初等部・中等部からも人気のお姉さまだよ。

 それで司先輩のお姉さまである一花先輩は、生徒会もされていてマーチングバンドでも
 有名なの。

 そんな情報が役に立つの?」


神威の話した三人の情報を桜瑛から聞き出しても特に
重要な手がかりがその中にあるとは思えないんだが。


すると桜瑛は駐車場から、校門の方へと視線を向けた。



「あっ、今校門から出てきたの三人の先輩だよ。
 何処かお出掛けなのかな?

 車に乗られて出掛けるみたいだけど……。
 車に乗る前に行ってみる?」


桜瑛はそうやって言うものの、今から行ったところで間に合わない。



「飛翔、後をつけて」


神威の言葉に、俺は車で追いかけていく。
三人を乗せた車は徳力の管理するデパートへと入っていく。



「神威……」

「うちの店に来てるなら警備に連絡する。
 もういいよ。

 桜瑛を秋月の邸に送って、ボクを海神の寮へ」


俺に告げると、アイツは電話をかけて誰かと会話をする。



その後、俺は秋月家の邸に桜瑛を送り届けて
マンションに戻って、海神の寮へともう一度神威を送り届ける。




海神の帰り、今一度、桜塚神社に足を伸ばしてみるものの
ゃはり変ったことはないように思えた。




昨日出逢った桜塚神社に住む少女がその日のうちに消えてしまったなんて、
その時の俺たちには思いもしなかった。