俺の両親の墓の隣、
見慣れない墓が並ぶ。



実感なく事実を受け止めようとしていた
俺の中に大きな衝撃が走る。




「飛翔……ボクの父さんと母さんのお墓……」



先に手を合わせる神威の後ろで、
冷たい墓石を見つめる。






神威に促されて、先に両親の墓に静かに手を合わせて
隣の兄貴の墓の前にゆっくりと向き合う。




*



なぁ、兄貴……。


来るの遅くなって悪かったな。
神威は俺が預かるから。

この龍の刻印と共にな。

だから……見守ってくれよ。



*


ゆっくりと手を合わせる。



すると……あの日と同じように、
優しい黄金の雨が降り注いだ。










あの日、静かに降りはじめた雨。


長い時間痛みを伴い続けた雨は
長い時間を超えて、
慈しみの雨へと姿を変えていく。