もう一度、君と…。

「ありがとう。貴方の好きには答えられないけど…貴方は純粋ね。綺麗だわ」

少し微笑んで、私は空き教室から出た。


『ねぇ、多和のこと、好き?』

こんなこと聞かれたって、
『分からない』
の一言で終わる。

きっと、多和だって、同じ筈だ。


下駄箱に行くと…、多和が居た。

「…あ、終わった?」

…今日初めて多和は私の顔を見た。

「うん。女の子達とカラオケは?」

私は靴を履いて、多和を見上げた。