「そーなの!?ココの特待って珍しいね!」 興奮気味に私…ではなく、朱井君を見る。 「っ!?」 なんで俺!?、と私に横目で訴えてくる朱井君。 「沙苗(さなえ)、お前な…。恋羽はコッチ!」 竹田先生は女の人の頭を鷲掴みして、私に向ける。 「…あーごめん!恋羽ちゃんなのね?コッチは?」 「…俺は、朱井啓です。兄の朱井暁(あきら)に会いに来ました」 ハッキリとキッパリと、答えた朱井君。 「あぁ…、暁君の弟さん?…似てんね。バスケ部だから、午前練だったはずよ?」