「ねぇ、多和!コッチコッチ!」
バッチリメイクで施している礼子。
…恋羽がメイクした所なんて見たことないな…。
なんて…また恋羽の事を思い出す。
「イケメン5人に、美人が1人の6人でやってるチームなんだよ?1人たんないのに凄い!」
興奮気味にいう礼子。
「…そーだな」
適当に返事をしておく。
腕に絡みつく様にしてしがみついてくる。
俺はその手を面倒に思いながら、払った。
市民体育館には、既に沢山の人。
コンサートってこんな感じなのか?
俺は思わず顔を歪める。
人が多い所はあんまり好きじゃない。
よく中学では…我慢できたよな?
女の子に自ら近づくなんてさ………。
礼子と席について、プレイヤーがでてくるのを待つ。
…たかが練習試合でコレって凄いよな?
2階のフロア席から眺める。
しかもココ…特等席だし。
周りには人がいるものの…不自由なく眺めるコトが出来る。
やっと選手が登場してきた。
コートの端から出てきた選手に、周りは悲鳴に近い声を上げた。
でも………俺の周りは時間が止まったように何も聴こえなかった。
だって………あの子がいたんだ。
恋羽に逢えたんだ。
「凄ーい!ガチカッコ良い♡」
隣の礼子は悲鳴に近い声を上げる。
ん…?
この男たち…どこかで………ってあ!?
「……羽翼」
俺は思わず呟いた。
「ん?あぁ、このチームね?羽翼って言うんだよ?それに高校が違う混合チームらしいよ?」
礼子の説明で要約理解できた。
どこかで見たコトある顔だと思ったら、繋田高校の二人がいた。
しかも…寮が隣の隣。
2人部屋だったような…?

