午後から始めた試合だったから、もう練習は出来そうにない。
「…今日はあがろーか」
百合月さんの言葉で、みんな一斉にストレッチを始める。
「…慶ちゃん、ありがとう。信じてくれて」
フフッと笑う恋羽。
俺はぐしゃぐしゃっと頭を撫でて、恋羽を抱きしめた。
「っ…!?ど、どーした?」
驚いていたものの、落ち着きを取り戻してきた恋羽。
「何もないけど…なんか、安心する」
あったかくて、お日様に当たっているような…そんな感じ。
「…あたし、慶ちゃんに抱きしめられるのすごく好きぃ」
恋羽からぎゅっと抱きついてくる。
「うん。俺も好きだよ」
コレが…告白ならーのにな?笑
なんてそんな幸せは無いのかな?
「…恋羽ちゃん、最後のボール大丈夫だった?」
近づいてきたのは…百合月さんだった。
思わず…抱きしめる力が強くなってしまう。
恋羽も不思議そうに俺を見て首を傾げる。
「…大丈夫ですよ。愛宕先輩は優しいですね」
ニコニコと笑い、俺の腕から抜けようとする。
…させる訳には、いかない。
取られる。
そんなの…嫌だから。

