そして…2試合目。
俺たちの攻撃。
灯真がジャンプシュートを決めて、俺たちが一歩リード。
…そして、問題のディフェンス。
類も…羽翼みんな、疑いの眼差しを恋羽に送っている。
でも恋羽は口元だけ笑みを見せている。
この時の恋羽は最強だ。
絶対に…何も失敗しない。
ボールを運んできた百合月さんは、
「えっ?」
と声を漏らしている。
唯野さんもその他の相手も驚きを隠せない様子。
百合月さんのジャンプシュート。
さっきよりも威力は弱い。
女の子相手にさすがに手を抜くよう。
俺は安堵のため息。
恋羽は不機嫌そうにする。
「…不満そうだな」
隣に突っ立っていた大地が笑う。
「そーだな」
俺も少し笑ってしまった。
どんどんと試合時間は少なくなって行く一方で、相手チームのシュートが威力を増して行く。
レフトバックが打ったシュートが手を抜こうとしたのに手を滑らしたのか、逆に威力がましてしまう。
あ、やばい。
俺は瞬間的に思った。
でも体はなかなか動かない。
ボールについていけない体。
皆も唖然としている。
打った張本人も焦っている。
恋羽を見ると、待ってました…と言わんばかりに構えている。
ーバシッ
可憐に止めて見せた恋羽。
俺は「やっぱりすげぇーな」と思った。
だって…高校生の男子のボールを受け止めるなんて…。
しかも、か弱い女子がだぞ?
…ホントに恋羽には勝てない。
試合終了の笛がなる。
結果は21ー2で羽翼の勝ち。

