次はおれたちがディフェンス。
百合月さんがセンター。
ポストが唯野さん。
俺はキーパーをやっていても、この二人のシュートは止められない。
決して、恋羽のように凄いブラインドシュートをしてくるわけでもない。
ただのジャンプシュートやステップシュート。
でも基礎がなっているからこその威力のあるシュート。
さすがは県にでるだけある。
結局、結果は12ー18で羽翼の負け。
「…ごめんな。俺が止めれば…」
俺は呟く様にでた言葉に皆は
「はぁ?」
と言う。
「…馬鹿か、アホ。俺たちが止められないのがいけないんだ」
類は俺の言葉に呆れてか、ため息をつく。
「そーだよ!慶介はそのままそのまま!」
那智もそう言ってくれるけど…。
「…」
…でも結果、俺以外にキーパーをやれるような奴はいないし。
黙っていた恋羽が俺の前にでた。
俺は黙って恋羽を見つめる。
「……私がキーパーやりたい」
「「はぁ?」」
羽翼皆の驚きの声。
「そんなのできるわけないだろ!?」
一番に声をあげたのは大地だった。
確かにそうだ。
ココで恋羽が怪我したら…っ!
「…ねぇ?私はそんなに弱くない」
その言葉に…誰もが息を飲んだ。
その真剣な目。
この時の恋羽には誰も逆らえない。
「…そ、だな」
俺は分かっている。
この時の恋羽は必ずやるってことを。
だから、信じるしかできない。
「ま、マジで言ってんのかっ?」
灯真は俺を真剣に見つめる。
「…もしもの時は、責任持って護る」
「…慶ちゃん、もしもの時なんてないよ」
…そう信じてるよ。
俺は恋羽に微笑んだ。
皆は疑いの眼差し。
でも、ココはかけてみるしかない。

