夢旅行

かなたの話にそっけない相槌をうちながら歩いているといつのまにか学校に着いていた

ほとんど誰もいない校門を通って生徒玄関を目指す
遅刻ギリギリの時間なのだ
あまり人がいるはずもない

玄関で靴を履き、2年生の教室がある3階まで足を運ぶ
3階まで来て、僕とかなたのクラスである「3組」のドアを開けると、クラスのお調子者達の声が聞こえてきた

「斉藤ふうま選手、本田かなた選手、ギリギリ記録更新です!」

「遅刻1分前ですか... なかなかの記録ですね」

「俺はなかなか来ないから最早欠席なのかと思ったぜ」

などとケラケラ笑いながら話す

毎回毎回僕とかなたがこうしてギリギリ記録なるものに、新たな記録を打ち立てると騒ぎたてる

毎日時間を測っているとは余程の暇人かバカなのだろう
暇人なバカと言うこともありえるが...

僕はそんな事を考えながらヒーローインタビューを受けているかなたをおいて自分の席につく