大量のパンは案の定残してしまったけど、朝ご飯を済ませた私は家の外で動物達と遊んでいた。
ティアは何か用事があるらしく、数分前に家を出て行ってしまった。
「暇だなぁ。」
動物達の頭を撫でながら、ポツリと呟く。
「1人は嫌いなのに。」
風に靡く自分の長す白い髪を見ながら、はぁ。とため息をついた。
私は産まれながらの白の住民。
髪は白く、薄い朱色の瞳を持つ白の国特有の姿で、ティアも同じ。訳あって、この白の国でもなく、黒の国でもない国境の狭間である森に住んでいる。
「私の何が悪かったんだろう。」
何十何百と考えてきたことをまた考える。
考えたところで答えなんて出るはずないと分かっているのに。
このままいけば、一生謎のままなんだろうなぁ。
「ま、今となってはどうでもいいことだけどね。」
あの日を思い出して、渇いた笑みを浮かべる。
悲しみに明け暮れた遠い日の記憶を。
すると、1匹の動物がペロリと私の頬を舐めた。
「ふふ、くすぐったい。」
あまりにペロペロと舐めるものだから、くすぐったくてさっきまでの寂しい気持ちがいつの間にか何処かへ飛んで行った。
「励ましてくれているの?」
にっこりと笑い、優しく頭を撫でる。
「くぅーん。」
気持ち良さげに喉を鳴らすその姿に目を細める。
「ありがとうね、小さな子犬ちゃん。」
そうだよね、クヨクヨしてるなんて私らしくないじゃない!
私にはティアがいる。動物たちがいる。
何も心配ないのよ。
「よし!今日は遊ぶぞ!!」
そう意気込んで、動物達といつもの綺麗な小川が流れる場所へと向かった。
