翌日、目を覚ましたあたしは夢も見ずに眠れたことにホッとした。

あたし、なにも見ていないよね?

夢を見ずにぐっすり眠ったはずなのに、昨日と同じく身体は鉛を乗せたみたいに重い。

まだぐっすり眠る麻美を残して、枕とタオルケットを持つと自分の部屋に行く。

入った瞬間、ゾクリと寒気を感じた。

クーラーを点けっぱなしにしていたわけではなく、夏場のこの部屋はムワッと暑いはず。

目の端にピンク色の物が見えて顔を向けると、持っていた枕とタオルケットを落とし、手を口元にやった。

「ひっ!!!」

机の上にピンクの見覚えのある便箋が1枚。

近づくと、小杉君へ「好き好き好き好き好き好き好き好き好き……」と便箋一面に書かれている。

みたことがある文面だけど、便箋は折られておらず、前のとは違うものだとわかる。

あたしはベッドの下からピンクの箱を出すと、ベッドの上に置いて蓋を開ける。

中には血の付いたTシャツ、毒々しい赤いブレスレット、ピンクの封筒の端が見えて、それを取り出し開ける。

それは以前の物だった。