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教室に戻る前に職員室に寄って、かっちゃんから成績表をもらう。

「大丈夫か? 体育館、暑かったからな」

「はい。もう大丈夫です。あの、先生……」

「なんだ?」

「事故で亡くなった生徒の名前を教えてもらえませんか?」

誰なのか気になっている。

「まあ、いずれは知られるんだからな。いいだろう。3―Aの原口美月(ハラグチミヅキ)だ。でも、なんで知りたいんだ? 知らない生徒だろう?」

原口美月さん……あたしにはまったく知らない生徒。

「その……生徒の髪は長かったですか?」

「ああ。亜美よりも長かったと思うぞ」

やっぱり夢で見た女性徒なんだ。

ひかりはどうして彼女を?

「あ、ありがとうございました」

「ああ。気をつけて帰れ」

「はい」

あたしはかっちゃんに頭を下げると、職員室を出た。

廊下に出ると、翔平が壁に寄りかかって待っていてくれた。