あたしたちは校舎の裏手にある3面のテニスコートの横にある部室に向かった。
「ぁ……」
校舎の角を曲がった時、20メートルほど先の樫の木の下でひかりと健人を見つけて足が止まる。
「おっ! 吉村と健人じゃん」
翔平もふたりを見逃さなかった。
「うん。ひかりね? 健人に告白するって」
「ふーん、そうなんだ」
ちょうどベビーピンク色の封筒を、ひかりが渡そうとしているところ。
これでは行くに行けない。
立ち止まって告白場面を見ているしかなかった。
あたしは心の中で「頑張れ!」応援。
翔平は涼しげな眼差しで彼らを見守っている。
ひかりの渡したピンク色の封筒を健人は受け取った。だけど、開けずに持っているだけ。言葉も一言二言で……。脈なしなの?って、思う。
そこで、ひかりは彼の側から離れ、こちらへ歩いてきた。
少し俯き加減に歩いていたひかりは少ししてあたしたちに気づいた。
「ぁ……亜美ちゃん……」
「ごめんね。見るつもりはなかったんだけど……」
「ううん。コートへ行く道だもんね。私、ちゃんと渡せたよ」
ひかりは少し胸を張ってにっこり微笑んだ。
「ぁ……」
校舎の角を曲がった時、20メートルほど先の樫の木の下でひかりと健人を見つけて足が止まる。
「おっ! 吉村と健人じゃん」
翔平もふたりを見逃さなかった。
「うん。ひかりね? 健人に告白するって」
「ふーん、そうなんだ」
ちょうどベビーピンク色の封筒を、ひかりが渡そうとしているところ。
これでは行くに行けない。
立ち止まって告白場面を見ているしかなかった。
あたしは心の中で「頑張れ!」応援。
翔平は涼しげな眼差しで彼らを見守っている。
ひかりの渡したピンク色の封筒を健人は受け取った。だけど、開けずに持っているだけ。言葉も一言二言で……。脈なしなの?って、思う。
そこで、ひかりは彼の側から離れ、こちらへ歩いてきた。
少し俯き加減に歩いていたひかりは少ししてあたしたちに気づいた。
「ぁ……亜美ちゃん……」
「ごめんね。見るつもりはなかったんだけど……」
「ううん。コートへ行く道だもんね。私、ちゃんと渡せたよ」
ひかりは少し胸を張ってにっこり微笑んだ。


