「亜美ちゃん、悲しんでくれてありがとう。ここへ来てひかりを思い出しちゃったんでしょう? ごめんなさいね。でも、ずっと忘れないでほしいの。ひかりを」

「はい。それはもちろんです」

ひかりを忘れることなんてできない。

嫌なことも楽しいことも、すべて一緒だったから。

思い出がありすぎていつもひかりを思い出すだろう。

「そこに座って」

おばさんはひかりのベッドの上に腰を下ろすように言う。

ひかりの自慢だったお姫様のベッドのような白いベッド。

家や生活すべてにおいて和風だったから、自分の部屋だけはお姫様のような部屋にしたくて、家具を洋風に白で統一していた。

この部屋はいつも羨ましいと思っていた。

言われた通り静かにベッドに腰を下ろす。

おばさんは机の上に置いてある箱を持って近づいてきた。

「こんなものしかないけれど、もらってくれると嬉しいわ」