「兄貴、亜美が昨日の場所へ行きたいって言うんだけど」
玲奈の困った顔に拓磨が口を開く。
「一緒に行くよ。玲奈は部活に行けよ」
そうだ。みんなは練習中で……。
「う、うん」
玲奈は有無を言わさない兄の命令であたしたちを見送る。
あの崖に行く途中、拓磨さんがここに来た理由と気を失った後の話を聞いた。
「嫌な予感がしたんだ。守護霊に行くよう言われてね」
「来てくださってありがとうございました」
拓磨さんがいなかったら、あのまま海へ落ちてあたしは死んでいたかもしれない。
「先生たちには話をしておいた。生徒にはガラスが割れた理由も上手く話してくれ、何事もなかったように練習しているよ。ま、先生たちはいまだに信じていないと思うけどね」
「そうですよね……ひかりの霊がいたなんて、信じるわけがないと思います」
「小杉君は練習に参加しているけど、田島さんは今朝早くにご両親が迎えに来て帰って行った。今となってはひかりちゃんのなくなった原因を再検証するのは無理だから、彼女の罪は問われないだろう」
「拓磨さん、ひかりが死んだ理由がわかるんですか?」
あの映像はあたしの頭の中だけのものだと思っていた。
玲奈の困った顔に拓磨が口を開く。
「一緒に行くよ。玲奈は部活に行けよ」
そうだ。みんなは練習中で……。
「う、うん」
玲奈は有無を言わさない兄の命令であたしたちを見送る。
あの崖に行く途中、拓磨さんがここに来た理由と気を失った後の話を聞いた。
「嫌な予感がしたんだ。守護霊に行くよう言われてね」
「来てくださってありがとうございました」
拓磨さんがいなかったら、あのまま海へ落ちてあたしは死んでいたかもしれない。
「先生たちには話をしておいた。生徒にはガラスが割れた理由も上手く話してくれ、何事もなかったように練習しているよ。ま、先生たちはいまだに信じていないと思うけどね」
「そうですよね……ひかりの霊がいたなんて、信じるわけがないと思います」
「小杉君は練習に参加しているけど、田島さんは今朝早くにご両親が迎えに来て帰って行った。今となってはひかりちゃんのなくなった原因を再検証するのは無理だから、彼女の罪は問われないだろう」
「拓磨さん、ひかりが死んだ理由がわかるんですか?」
あの映像はあたしの頭の中だけのものだと思っていた。


