床に半狂乱の田島先輩がにいるだけで、ひかりの姿が見えない。

なんで? 今まで見えたのにっ。

「玲奈っ! ひかりが見えないのっ!」

「ごめんなさいっ! ごめんなさい!」

目の前にまるで人がいるかのように、謝る田島先輩の声。

ひかりの姿は見えないけれど、おそらく田島先輩の側にいるのだろう。

「ひかり! やめて!」

田島先輩たちのやったことは最低だけど、死なせるわけにはいかない。

スーッとあたしの目の前にひかりが現れた。

目はつり上がり、口が頬のあたりまで裂けて、今まで見ていたひかりとは異なる顔だ。

同じなのはボブの髪型。

『ドケ……オマエモ……ユルサナイ』

ひかりがそう言うと、あたしは床に飛ばされた。

イスに頭をぶつけて、一瞬意識が朦朧とする。

「「亜美!」」

翔平と玲奈の声に、あたしは片手を床につけて立とうとした。

「っう……」

ぶつけた頭がガンガン痛む。