「ごめんなさい! ごめんなさい! ごめんなさい!」

突然、田島先輩が地面にひれ伏し謝り始めた。

『オマエモ……シネ……』

地面にひれ伏していた田島先輩の身体がみるみるうちに宙に浮く。

まるで首をもたれ、絞められているかのようで、田島先輩は声も出せず大きな目を見開き、足をジタバタさせている。

「ひかりーっ! やめてー!」

あたしは重い身体を振り絞り、田島先輩の身体を地面に下ろそうとする。

翔平も手伝ってくれているけれど、2人の力でさえ田島先輩を下ろすことが出来ない。

その時、玲奈のお経のような声が聞こえてきた。

聞こえてきたと同時に田島先輩の身体がドサッと地面に落ちた。

「ごほっ! ごほっ!……」

田島先輩は咳をしながら、空気も取り込もうと喘ぐ。

「消えたのか……?」

暗がりだからわからないけれど、小杉の顔はおそらく蒼白に違いない。

そう聞く声も震えていた。