所々口をはさむ以外、静かに聞いてくれていた拓磨さんはあたしが話し終えると、深いため息とともに背もたれにもたれる。

「邪魔をしたら殺す……か……」

「今は好きだった小杉くんまでひかりは殺そうとしていて……きゃっ!」

グラスの中の氷がカランと鳴り、あたしは立ち上がってしまうほど驚く。

「大丈夫。彼女の気配はないから。可哀想に……」

あたしのビクビクしている様子に拓磨さんが同情するように眉を下げる。

「おそらく彼女たちの間でなにかあったんだろうね」

「あたしもそう思いますが、ひかりは内向的で先輩の知り合いはいなかったんです。死んだ女性徒とのつながりがわからなくて。それと、暴走族の少年がどうして殺されたのか」

「彼女は相当恨みを持っているようだよ」

「恨みが……」

どうしてそこまで恨んでいるのか謎だ。