「はい」

ママには「先に帰ってね」と、メールを送ろう。

駅の方へ足を進め、コーヒーショップへ入った。

夕方のコーヒーショップは空いていて、拓磨さんはあたしの飲み物を聞いて奥の席に行かせる。

ほどなくして、トレーにアイスコーヒーとアイスカフェオレを乗せた拓磨さんが席につく。

「どうぞ」

あたしの前にアイスカフェオレを置かれる。

「ごちそうさまです」

頭を下げて、さっそくストローで一口飲むと、カラカラだった喉が冷たい飲み物で潤される。

「君に付きまとっている女の子は誰?」

ドキッとして、ストローを持つ手がぎくりとフリーズ。

「つ、付きまとっている女の子ですか? どんな女の子――」

「髪は黒髪のボブ。頭から血を流していて、君たちの学校の制服を着ている」

拓磨さんの鋭い瞳があたしの目をじっと見ている。

ひかりだ! やっぱり拓磨さんは霊が見えるんだ。