「そうだ! 電話番号!」

ハンガーに掛けてある制服のスカートのポケットを探る。

あれ? ない?

両方のポケットを何度探しても玲奈からもらったメモがない。

「おかしいな。どこかで落とした?」

だとしたら玲奈のお兄さんの申し訳ない。

迷惑をかけてしまったかもしれない。

拾った番号に面白半分で電話をかけられてしまったかもしれないから。

そう思うと、重い気持ちになりぐったりとベッドの上に腰を下ろす。

どこで落としたのだろう……。

自転車を漕いでいる時?

部室で着替えている時?

玲奈に電話をしようか。

スマホを開いて、もう遅い時間だったことに気づく。

12時過ぎか。

いくらなんでもこんな時間にかけられない。

あたしは明日電話をかけようとあきらめ、ベッドに横になった。