「小杉だね」

「翔平、小杉があそこにいるよ?」

翔平は小杉をちらりと見る。

「もう新しい彼女か」

亡くなった岸谷まどかさんは小杉の彼女だった。

亡くなってからまだ2ヶ月経っていない。

翔平のあきれたような声。

「あの女の子、誰だろうね?」

浴衣を着て髪をアップにしている女の子に、みのりはわからないようだけど、あたしはすぐにわかった。

「彼女、3年のサッカー部のマネージャーだよ」

教えると、そう言えば見たことあると、一同が頷く。

「亜美はなんで彼女を知っているの?」

「この間、一緒にいるところを学校で見かけたから」

「そうなんだ。しかし、小杉の彼女って年上ばかりじゃない?」

そこへ大きな音と共に大輪の花火が上がり、会話が途切れた。