あたしは机の上のスマホをデニムのショートパンツのポケットにしまうと部屋を出た。

階段を下りて、せわしなく家事をしているママにすぐに戻ると言って家を出た。

自転車をこいで、少年の事故現場に向かう。

あの河川敷までは自転車だったら15分。

明日、開催される河川敷の花火大会は川を挟んだ向こう側。

離れた場所で良かったと思う。

まだ朝とあって、日差しは強くなく、心地よい風もあり自転車をこいでも汗はかかない。

そんな気持ちの良い外とは違い、あたしの心は今までの事件を思い返し、しだいに重い気持ちになっていく。

詳しい場所はわからないけれど、とりあえず河川敷へ。

緩やかな坂を上ると、100メートルほど左手のサイクリングロードに黄色い立ち入り禁止の帯と、2台のパトカーと警察官が目に入る。

首が落ちた草むらももちろん立ち入り禁止の帯。

立ち入り禁止のキリギリの場所で、取材をする報道陣がいる。