目をつぶると、まるでボールのように飛んで転がった目を見開いた少年の顔を思い出す。

あれも実際にあの少年が死んじゃったの?

どうしてあの少年が死ぬの? 訳が分からない……。

ふいにヘッドホンがつけられた。

「眠れないんでしょ? 音楽聞きながら寝るといいよ」

目を開けると薄明りの中、麻美の顔が目に入る。

「ありがとう」

時々、どちらが年上なのかわからなくなる時がある。

あたしは麻美の気遣いに心が温かくなる。

麻美が隣にいる安心感と、少しうるさいくらいのヘッドホンからの歌で眠りについたあたしだった。