「ありがとう」

水をゴクゴクと一気に飲み干す。

「部屋暑すぎ」

そう言いながら麻美はエアコンのリモコンのスイッチを入れた。

すーっと涼しい風が流れてくる。

「麻美、このブレスなに色に見える?」

「やだ、また聞くの? 薄いピンクでしょ」

「本当にピンクに見えるの!?」

どうしてこれがピンクに見えるのだろう。

あたしは少し苛立った口調で言っていた。

「亜美ちゃん、目もおかしくなったの? やっぱりママに――」

「い! いいの! そうだよね。ピンク色……」

「変な亜美ちゃん。あたしがここで一緒に寝てあげるよ。枕持ってくるね」

手首のブレスレットを、麻美がいない間に箱にしまう。

麻美はあくびをしながら戻ってきた。

衝撃的な夢を見させられたあたしは心身ともに疲れ果てていた。