なんで………
「ちょっと!
なんで………なんで、きっ、きっ、キスしたんだよ!バカ!」
「はあ?」
「普通、そういうのって、付き合ってからするもんじゃないの!
なんで、
なんで、今したんだよ!」
吉井は、航太を背負い直すと、不機嫌そうな顔で私を見た。
「お前が俺の首元に顔近づけんのが悪いんだろ」
はあ???
「なにそれ?」
「お前さぁ」
睨んできた吉井を、睨み返してやった。
「かわいすぎなんだよ」
え。
睨んでいたのに、頬が一気に熱くなって下を向いた。
「好きなんだよ。
すっげー好きなんだよ、お前のこと。
誰にも渡したくねぇー」
嘘だ………
こんな、吉井みたいなかっこいい人が、
私なんかを好きになるはずない。
「信じられない」
「なんだよそれ、信じろよ」
私は顔を上げて吉井を見つめた。
「だって、私……かわいくなんかないし」
吉井は一度目をそらしてから、またこっちを向いた、
「お前さ、ほんと何にもわかってねぇな」
「わかんないよ、なんで私なんかを……
吉井の気持ち、わかんないよ」



