授業中、ちらっと窓際の一番前に座る宇崎さんを見た。
窓から入る日差しで、宇崎さんの栗色の髪が、
金色に輝いている。
みんなただ、嫉妬してんじゃん?
渡瀬くんって、春奈情報によるとすっげーモテるらしいから。
女って、そういうとこあるからめんどいな。
まぁ、私も女だけど。
授業が終わり、また休み時間になると、
宇崎さんの周りに、4、5人の女子が集まりだした。
「なんだ?」
自分の机で頬杖をついてその様子を見ていると、
春奈と綾香が私の元にきた。
「うちら先生に準備お願いされたから、ちょっと行ってくるね」
「あぁ、わかった」
二人が廊下に出て、また宇崎さんの席を見ると、
宇崎さんが両手で顔を覆っていた。
泣いてる?
その時、私の前の席の背の高い男子がガタンと勢いよく立ち上がって、
宇崎さんの元に歩き出した。
なんだなんだ?
「やめろよ」
そのデカい男子は、宇崎さんの腕を掴んで、教室から宇崎さんを連れ出してしまった。
「吉井くんも、宇崎さんに騙されてんだ」
「どこがいいの?あんな女の」
「ほんと、むかつく」
「あたし見たんだから、渡瀬くんと付き合ってんのに、
すっごいチャラい男と一緒に駅歩いてんの。
宇崎さんって、ほんと男好きだよね。
超うざい」



