君のせい





えっ.........



頬に当たる、吉井のブレザー




「ちょっ、離せっ.....」


吉井の胸を押すと、さらにぎゅっと抱きしめられてしまった。



「お前、ほんと素直じゃねぇのな」




はっ???




「う、うるさい!てか離せ!」



吉井の腕を掴んで引き離そうとしても、

力が強くて離れない。


やばい、ドキドキしてきた。



「泣けばいいじゃん」



吉井........



吉井の腕を掴んでいた手から、

力が抜けた。




「泣きたい時は、泣けよ」



抱きしめたまま、私の頭の後ろをポンポンと撫でてきた。



「泣かない、絶対に。人前で泣くなんて私には考えられない」



ましてや、吉井の前でなんて、絶対に泣きたくない。




吉井はまたポンポンと優しく撫でた。



「我慢すんなよ」



「我慢なんかしてないし」




「ははっ

ほんと、素直じゃねぇな」


「悪かったな、素直じゃなくてっ」



その時、吉井が抱きしめるのをやめて、

私の顔を覗き込んできた。


「親父さん、優しい人なんだろ?」



え……


薄暗い雨の中でも、

優しい眼差しで私を見つめている吉井が、

はっきりと見えた。



「じゃあ、もう十分、お前の気持ちわかってくれているって」