想像以上に激しい練習にびびった。
吉井は........
その時、目の前をドリブルして吉井が駆け抜けて行った。
思わず、前のめりになって中を覗き込んで、
駆け抜けて行った先を見つめてしまった。
吉井は、きれいなフォームで腕を伸ばしてシュートした。
黒いTシャツ
黒いハーフパンツ
少し汗をかいた吉井が、両膝に手をついて前かがみになった。
ボールを狙う、鋭い視線
その真剣な表情に、ドキッとした。
「やっぱ吉井先輩ってかっこいいね」
「絶対彼女いるよね」
「告白全部断っているんだって」
「じゃあ、やっぱ彼女いるよ」
そうなんだ。
吉井って告白されても全部断ってるんだ。
彼女.........
吉井って彼女いるのかな..........
いるよね。
そうだよ、いるよ、あんなにかっこいい人、
いるに決まってんじゃん。
一緒に帰ったからって、
私の傘に入ったからって、
私.......何いい気になって...........
宇崎さんに振られた後、
すぐに彼女できたよね。
女子たちが放っておくはずない。
きっとかわいい彼女がいるんだ。
吉井はかわいい子が好きなんだから。
私なんか、こんなかわいげのない男っぽい奴なんか、
きっと吉井は私を女子として見てない。
私は見学している女子たちから離れて、
渡り廊下を校舎の方へと歩き出した。



