「えっ......」
傘に落ちる、雨の音
どくん どくんと、高鳴る鼓動
目の前に見える、ちょっと不機嫌そうな吉井の顔
「だっ、だから!気安くさわるな!」
パシッと顎を持ち上げている吉井の手をはらって、
下を向いた。
「日曜、会えなくなってもお前は平気なのかよ」
頭の上から吉井の声がして、さらに下を向いた。
平気なわけない。
会いたい。
会いたいに決まってる。
航太が困るっていうのは口実で、
本当は、私が一番困る........
「平気........じゃない」
下を向いたままそう言って、唇を噛みしめると、
また頭を優しくぽんぽんと撫でられた。
「素直じゃねぇのな、お前」
「うるさいっ!」
「はいはい。ほら、教室行くぞ」
吉井は頭を撫でるのをやめて、
傘の柄を持ち替えて私の隣にきた。
恥ずかしい気持ちを抑えながら、くるっと向きを変え、
吉井と校舎の方へと歩き出した。
「なんとなーく、お前のことわかってきたよ、ははっ」



